定義
分散や回帰など、統計量の計算時に「独立に変化できるパラメータの数」。標本分散を求めるときの分母が \( n – 1 \) となる根拠の一つ。
特徴
統計学全般で重要な概念。標本平均など一部の情報が既に計算されているため、「独立に動く変数」が減ると考えられる。
検定分布(\( t\text{分布}, F\text{分布}, \chi^2\text{分布} \)など)で必ず登場する。
使いどころ
記述統計でも、標本分散(不偏分散)や共分散行列を計算する際に意識する。
推測統計や回帰分析、ANOVAなど幅広く関係。
応用例
\( n \)個のデータから標本平均を引いた残差は全部で\( n \)本だが、その総和が\( 0 \)になるため、実質\( n-1 \)本しか独立に動けない。
分散分析(ANOVA)で、グループ間の自由度、グループ内の自由度を算出。
留意点
小さい標本ほど自由度が小さくなり、推定や検定に不確実性が増す。
自由度を正確に把握しないと、統計量の分布を誤って適用するリスクがある。